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今回はディケンズの推理小説、『クリスマス・キャロル』をご紹介します。
『オリヴァー・ツイスト』で知られるイギリスの国民的作家、ディケンズ。
没後150年以上が経っても、愛され続けています。
日本語版は近年も改訂が行われており、読みやすくなっているのもうれしいポイント。
冬が訪れるころにぜひ読みたい、温かいクリスマスの物語です。
ざっくりあらすじ
ケチで人嫌い、人に親切にするなんてもってのほか。
そんなスクルージ老人のもとに、クリスマス・イブの夜、死んだ同僚マーレイの幽霊が現れる。彼の予言通りに訪れる「クリスマスの幽霊」たちが、スクルージに見せたものとは?
感想
クリスマス、皆さんは、どんなイメージがあるでしょうか。
私は、プレゼントと美味しいもののイメージ。
クリスマスから年末にかけては、食べすぎても許される(?)嬉しい日々です。
一方で本作の主人公スクルージさん、この人は、クリスマスなんて何のその。
寄付のお願いをはねのけ、ごちそうの誘いを断り(!)、更に自分の店の書記には…
とにかくこれ以上ないほど、救いようがない人物として描かれています。
そんな彼が幽霊たちの導きで改心していく、という筋書き。
正直、カバー裏のあらすじを読んで、結末を想像できる気がして、読んでいなかったんです。
でも、実際読んでみると、描写の鮮やかさが並大抵でなく、ぐっと引き込まれました。
映像が目に浮かぶような、五感まで刺激されるような描写で、クリスマスの街を飛び回っている気持ちになります。
特に食べ物や香りの描写が私には刺さりました。
食べたこともない七面鳥の香りが、クリスマスプディングの香りが、漂ってくるような…
よく知られた作品だからと言って先入観を持っていちゃもったいないな、と少し反省。
特別な予定はなくとも、あったかい気持ちでクリスマスや年末年始を迎えたくなる1冊でした。
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