蒔
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今回はラグンヒルド・ニルスツンさんの絵本、『うちへ帰れなくなったパパ』をご紹介します。
「パパ」って、なにができるの?
パパはね、パパは…あれ、なにができるんだろう?
一生懸命仕事をしてたのに、自分になにができるのか、見失っちゃったパパ。
何か大切なことを忘れているような…
男とか女とか、パパとかママとか、役割にうんざりした全ての人に。
ざっくりあらすじ
主人公のグレンは、ごく普通のパパ。
だけどある日、うちへ帰れなくなってしまった。
パパってなんの役に立つのか、分からなくなっちゃったから。
道で出会った探検家、ハングライダー乗り、カウボーイ、誰も帰り方を教えてくれない。
どうしたら、うちへ帰れるの?
感想
何と発行は1995年、四半世紀前の本です。
でも、取り上げているテーマは、今も全然古びていません。
「女は、男はこうあるべき」とか、「パパは、ママは、こんなふうじゃいけない」とか、固定観念は今も根強くありますよね。
この本の主人公が悩んでいるのは、「パパ」という役割の呪縛。l
だけど、呪縛のモトは他にも数限りなく…
自分で自分に足かせを付けて、それを無意識にひとにも押し付けてしまう。
そんなことが私もあります。
例えば、「年相応の服装をしなきゃ」とか。
これはうっかりすると、「あの人の服装は若作りだ」とかいう押し付けのモトになっちゃう。
他人の選択を尊重するには、まず自分の選択を尊重することが必要なんだと思います。
本書は今も絶版になっておらず、新品が手に入ります。
決して大きくはない翻訳書の市場で、長く愛される本があるのはうれしいこと。
本書の絵は日本人のはたこうしろうさんが手がけていますが、北欧は素敵な絵本の宝庫。
読んでほしい絵本がまだまだあるので、今後も紹介していきます!
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