『ポエトリー・ドッグス』|斉藤倫

蒔

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今回は斉藤倫さんの短編集、『ポエトリー・ドッグス』をご紹介します。

ただの詩集ではありません。
博識な犬の(!)マスターが導く、広くて深い詩の世界。

古今東西の名詩を、ほろ酔い気分で楽しめる1冊です。
今夜のお酒のお供に、いかが?

ざっくりあらすじ

飲みすぎて、3軒目にふらりと入ったバー。
ふさふさの毛並みのマスターが出してくれたのは、とびきりおいしいお酒と、詩だった。

感想

一体なんのために、詩を読むか?

犬であるマスターの答えは、単純明快。

マスターは、恬然と、いう。「ただしりたいだけなのです。にんげんが、物事をどのようにとらえるのかを」

斉藤倫『ポエトリー・ドッグス』講談社

マスターが勧めてくれる詩は、それぞれ全然顔つきが違います。
熱い想いを訴える詩、読む人をおちょくるような詩、語り手の姿すら見えない詩…

一つの詩をじっくり読むのもいいけど、色々つまみ食いして、気づかされることもありました。

例えば、「詩って結局なんなんだ」問題。
小説みたいだったり、エッセイみたいだったり、まるでデタラメみたいだったり。

色々ありすぎてよく分からなかったけど、もしかして…
まだ辞書にない感情を、言葉でどうにか表そうとしたものが、詩と呼ばれるんじゃないかな。

だとしたら、色んな形の詩があるのも納得。
それこそデタラメだとお叱りを受けるかもしれません。ゴメンナサイ。

でも、詩の書き方が自由なら、受け取り方だって自由でいいじゃないか、と思っています。

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