蒔
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今回は、草野心平さんの作品、『口福無限』をご紹介します。
生きるために食べる?
食べるために生きる?
切っても切り離せない、「食べる」と「生きる」。
どうせなら、身近なものを、目いっぱいおいしく食べたい!
おいしく食べたいすべての人に読んでほしい1冊です。
ざっくり概要
海の幸、山の幸、野の幸、「ただのものほどうまい」がモットー。
薔薇や牡丹の二杯酢、ミヤギノハギのオープンサンド、魚の骨のせんべい…
飲むこと食べることを心から愛した詩人の、食欲と郷愁をくすぐるエッセイ集。
感想
酒のつまみは好きですか?
私は、母の心づくしの離乳食にそっぽ向き、父の晩酌のつまみを欲しがる、そんな子供でした。
(母よ、あの頃はごめん)
大人になってからも、お酒はほとんど飲まないのに、おつまみは大好き。
乾きものならスルメにジャーキー。
生ものならホヤ、貝類すべて、諸々のタタキ。
肉ならハツにレバー、ぼんじり…
くせの強いもの、珍しいもの、大歓迎。
少なからずいる(と信じている)同好の士の皆様、一緒にお腹を空かせましょう。
特に食欲的好奇心をそそられた部分をご紹介。
これはおつまみではないですが、草野さんの食に対する態度がよくわかる一節です。
フランスパンのひときれを。
草野心平『口福無限』講談社
トースターからとりだし。
指尖で四つに切り。
トラピスト・バターをぬり。
その上にミヤギノハギの紅紫と白萩の白をのつけて食べる。
(あしたの朝はヤマヂノホトトギスをのつけよう。)
花びらから魚の骨に至るまで、命に感謝しつつ、食えるものは何でもおいしく食う。
通底している信念を感じます。
伊藤比呂美さんの『ウマし』と並んで、食べる力を鼓舞してくれる、私のバイブルです。
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