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今回は、米原万里さんの作品、『旅行者の朝食』をご紹介します。
美味しいものを食べるのって、本当に幸せですよね。
実際に食べなくても、幸せな気持ちを味わえるのが食べ物エッセイ。
数多のグルメ本、食べ物の歴史本、食べ物エッセイを読んできましたが、ちょっと毛色の違うものが読みたい…という時に、この本を見つけました。
ざっくり概要
全部で37の短いエッセイで構成されていて、好きなところから手軽に楽しめます。
エッセイが好きな方も、なじみがない方も、どんな方にもおすすめできます!
異国の食べ物エッセイかと思いきや、美食の話は全体の2割…いや1割くらい。言語や文化に対する深い考察と、それを押し流す勢いの怒涛のユーモアに圧倒されます。
著者の米原万里さんは、少女期をチェコスロバキアで過ごし、在プラハ・ソビエト学校で学んだ生い立ちを持つ方です。ロシア語通訳者として第一線で活躍し、作家としても多くの作品を発表しました。
本作以外にもユーモア溢れるエッセイ、実体験をもとにしたノンフィクション小説など、どれも最高に面白いので、興味を持った方はぜひお手に取ってみてください。本ブログでも追って紹介します!
感想
米原さんのエッセイの楽しいところは、何といっても無限に湧き出てくるようなユーモア。
特にロシア語の薫陶をたっぷり受けた小話の数々が読みどころです。
『サンボは虎のバター入りホットケーキをほんとに食べられたのか?』『シベリアの鮨』の2編が特にお気に入り。
シベリアにも鮨があるのか!凍っちゃいそうだけど、北海道のルイベみたいにして食べるのかな…
って思いませんか?
私は思いました。そしてしっかりと裏切られました。
つい友達に話したくなる小話から、なるほど…とうなってしまうような文化考察まで、1冊で37回おいしい、大満足の作品でした。
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